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第57話 腹責めバトルロワイアル 地遁十法

 【06//2013】

原背女大学の学生・一矢、四竜、真の3人は地下ブロックのとある空間で集めた武器を並べ作戦会議中。


一矢 「もう武器は充分だ。次はここの部屋にトラップを仕掛ける。まんまとこの部屋にやってきたバカなネズミが罠に掛かり、痛手を負ってるところを俺ら3人でボコボコにする。いいな」


黙って頷く真。何も言わない四竜。


一矢 「四竜、お前頭良いから罠作れ」


四竜はメガネをクイっと上げると、そそくさとトラップ作りを開始する。


四竜は一矢でも醍五の味方でもない。常に自分にとって得な選択をしているだけ。


四竜が完成させた罠はターゲットが入り口から侵入しピアノ線に触れると天井にぶら下げた大きめの鉄球が前後左右からターゲットに向かって振り落とされるシンプルなものだった。


3人は部屋の隅の物陰に隠れネズミが現れるのを待った。


広い地下空間で都合よくこの部屋に誰かがやってくるなど希望の薄い作業だが、その時は以外にも早く訪れた。


忍び寄る一つの影。


その影は部屋の入り口で中の様子を伺っている。その影も何かを探している様子。


そしてその影はすぐに不用意にも罠の待つ部屋の中心へ入ってきた。


影は一矢たちの期待に反して透明なピアノ線を運よくまたいで通過した。


一矢 「作戦変更だ、あいつ一人なら武器を持った俺ら3人でかかればイチコロだ」


3人は影の前にあっけなく姿を現した。


影 「やっぱり…誰かいると思った」


一矢 「ハッ なんだてめえ、忍者のコスプレなんかしてよ。バカか?」


影 「佐佑(さすけ)でござる!なんてね。本物の忍者は敵に名前なんて名乗らないけど、はは」


一矢たちの目の前に現れたのは東とともに地下に放たれた刺客の一人、忍者・佐佑。黒というより少し色の褪せたグレーに近い忍者装束をまとっている。頭巾は被っておらず、頭に鉢巻を巻いており、後頭部の結び目は長く背中まで垂れている。さらにおでこには金属の額当てを付けている。髪は茶髪で、ヘアワックスをつけている。顔立ちは男らしいが少年さが残る。一矢たちよりも若い高校生くらいの年の頃。


一矢 「は?お前、ダイジョブか?」


佐佑 「お兄さんたちオレと勝負するでしょ?3人まとめて相手してやるよ」


一矢 「カッチ~ン 上等だ、ご希望通り3対1でお前をリンチだ、四竜!真!武器構えろ!」


3人はそれぞれ金属製のイカツイ武器を持っている。


一矢 「おおおおううらあああああ!!!!」


一矢は佐佑に向かって突進、鬼の金棒を振り上げる。


佐佑 「地遁十法の一 忍法 土遁の術!」


佐佑は大袈裟に術を唱えると懐に隠し持っていた土を走り迫る一矢の眼に向かって投げつけた。


一矢 「うお!」


カラコローン あっけなく金棒を落とすと一矢は土が入り込み痛む目玉に手を当てた。


佐佑 「隙あり」


佐佑は逆に一矢の懐に素早く飛び込むと背中の木刀を抜き取り、柄の部分を一矢の腹に埋め込んだ。



ドゥブ!!!!!!!



一矢 「ぐぼおおおおお うえええ」



木刀の柄はグボグボと容易に一矢の腹筋にめり込んだ。威勢は良いが痛みにはめっぽう弱い一矢。特に腹への攻撃はことさら弱い。その割には焼けた肌の腹筋は美しく割れている。



佐佑 「お兄さん、一撃で呻きすぎ…腹弱いの? じゃあ遠慮なく☆」



佐佑は木刀の柄を一矢のシャツの裾から潜り込ませ、今度は生の腹へ直に木刀を突き刺す。



ドゥヴ!ドゥヴ!ドゥヴ!ドゥヴ!




ドゥヴ!!!!!!!



佐佑の放つ木刀の柄の先は一矢の美しい腹筋のど真ん中、まったく同じ個所を正確に俊敏に短い時間に何度も埋め込まれる。



一矢 「う!う!う!う!う”!う”!げヴぉお”お”ぉぉ」



一矢の瞳は焦点が定まらず、瞳孔はいつも以上に小さくなり、成すすべなく、佐佑に腹筋を差し出している。



ドゥぶ!!!!



トドメに腹の皮を突き破らんばかりの一撃が一矢の腹に埋め込まれた。同じ場所に。



一矢 「う”っぷ…」



一矢の両腕は力なくダランと垂れ下がる。そして佐佑が一矢の腹に刺さったままの木刀を地面に傾け置くと、一矢の体は木刀に体を預けたまま動かなくなった。



佐佑 「さあ、次はどっち?」



30秒ほどの時間。一瞬の出来事。その光景を目の当たりにし怯える真。表情は冷静だが、この状況の打開策を判断しかねている四竜。



四竜 「こ、降参だ…お前の仲間になる…っていうのは?」


四竜は口を開いた。寡黙で頭脳明晰、狡猾、色白で細身のメガネの四竜。一枚だけ来ているワイシャツは先の拷問でボタンがなくなり肌蹴ている。打開策を模索しながらゆっくり話す。


佐佑 「駄目だね!オレの忍務はお兄さんたちの掃討だから☆」


四竜 「だよな」 (オレが設置した罠…まだチャンスはある…考えろ四竜…)


佐佑 「んじゃ、次はメガネのお兄さんってことで☆」


四竜は再び手に持っていた金属バットを構えた。


佐佑 「地遁十法の一 忍法 火遁の術」


再び術を唱えると佐佑は懐から二本のタバコを取り出し、それに火を点けてくわえた。


四竜 (こいつ…何を考えてるんだ?…)


佐佑 「せい!」


声を上げると佐佑は一本のタバコを四竜に向けて投げた。小さいながらも突然目の前に火が飛び込んできたことで一瞬目を閉じる四竜。


目を開けた時には佐佑はさきほどの場所から消えていた。


愕然とする四竜。


佐佑 「ここだよ☆」


佐佑の声が四竜の足元から聞こえた。佐佑は素早く四竜の真下へ移動ししゃがんでいた。そして四竜が気付いた時にはもう遅く、佐佑は足のバネを使いジャンプをするように、四竜の無防備な腹へ拳を振り上げていた。



ドム!



四竜 「   こ     ほ    」



四竜の体は佐佑の拳をやわな腹筋に包み込み佐佑とともに宙に浮く。


佐佑 「せい!」


声を上げると佐佑は四竜の体を部屋の中央へ投げ捨てた。


四竜 「げほげほっげほ」


腹に手を当て、咳き込みながらヨロヨロと立ち上がる四竜。


佐佑はそれを見届けると、くわえていたもう一本のタバコを床に向かって弾き飛ばした。


シュッ    プツンッ


ピンと張っていた糸のようなものが切れる音が響く。


四竜 「しまっ」


四竜はそれが自分が仕掛けた罠が作動するスイッチであるピアノ線が切れる音だったということに瞬時に気付いたが、またしても時すでに遅く、無残にも天井から振り下ろされた鉄球が下がり始めた後だった。



 ゴス!

  ドヴォ!!

    ドヴォ!!!

      ドヴォ!!!!



四竜 「うっぷっ  げっほおおおおお」


鉄球はスイングし四竜の背中、右脇腹、左脇腹、腹筋中央に埋まり込み、四竜のボディを四方八方から衝撃、打撃、圧迫した。


佐佑 「お兄さん残念だったね」


佐佑は落ちていたタバコを拾うと、唾液を絞りだし、四方の鉄球に支えられ、立たされている四竜の鳩尾にそのタバコの火を押し当てた。


四竜 「ぐあああああああああああああ」


色白の肌が小さく焦げ、涎の糸を垂らし四竜は気絶した。





ドッゴォォ!!!!



佐佑 「げふぉぉぉおおお…」



呻く佐佑。佐佑は自分の脇腹を凝視すると、そこにゴルフのドライバーのヘッドがめり込んでいた。



佐佑 「うええ」



恐怖に駆られた真が、佐佑の隙を突き、ドライバーをフルスイングし、佐佑の脇腹にダメージを与えた。



佐佑 「お兄さん…それはないよ…油断してたからちょっと効いたけど…」


佐佑は振り返る。


佐佑 「オレの腹筋舐めないでくれる?」


そう言うと佐佑は忍者服の上半身を腰まで垂らした。


佐佑の上半身が露出する。


健康的な肌色。ボクサーのようにスリムに絞り込まれた筋肉。その上、腹筋はボコボコに割れ、八つのこぶがぎっしり綺麗に埋め込まれている。


佐佑は下腹部に血管を浮き立たせながら真へ忍び寄る。


カランコロ~ン


真はバットを床に落とし、怯えながら後ずさる。そしてついに壁のコーナーに背が付いてしまった。


真 「ゆ 許してくれ!」


佐佑 「お兄さ~ん もう逃げられないよ~」


真 「腹は…腹は…やめてくれ!」


真は腹を殴られることがトラウマになっている。


佐佑は追い詰められた真に近づくとTシャツをめくり上げ真の首の後ろへ引っ掛けた。


露出する真の腹。スポーツで焼けた肌、逞しい大胸筋、六つにボコボコに割れた腹筋が現れる。


佐佑 「地遁十法の一 忍法 水遁の術」


佐佑はお決まりの忍法を唱えると、腰の巾着から500ミリのペットボトルを取り出した。そして少量の水を真の腹筋に垂らす。真の腹筋は濡れ、水滴が腹筋の溝に沿って流れる。


佐佑は再びペットボトルのキャップを締めると壁にもたれている真の腹筋目がけ、握っていたペットボトルのキャップの部分をぶっ刺した。



ドヴォグリュ!!



真 「オッヴォオっ!」



頬を膨らませ口を尖らせ呻く真。佐佑はその真の尖り開いた口に今度はキャップを開けたペットボトルの飲み口を突っ込んだ。


真 「こぽっ ごぼごぼ」


ペットボトルの水が無理やり真の喉へ降りる。


そこへ佐佑のボディブロー。



ドっヴォ!



真 「ごぼごぼ ごっぽ」



どぅヴぉ!!



真 「こぽ こっぽ ごっヴぉ」



腹を抉られる度ペットボトルの水は容器へと逆流し、真はなかなか水を飲み込めない。



ずっぷぅ!!!!



真 「くぷ ぐぶぐぶ あぼ」



佐佑は今度は拳を引っこ抜かず、グリグリ真の六つ割れ腹筋をまさぐり抉る。



ぐりっ ぐりっ   ぐりゅっ ぐりゅっ

  どぅぶっ どぅぶっ  ごりごりごりごりっ



真 「あば こぽ こっぷ ごぼぼぼぼっぼぼ」



次第に真の足に力が抜け、真の体はずるずるとずり下がり真の意識は遠のいていった。



佐佑 「ふう これで 忍 務 完 了 」



佐佑は全員のブレスレットを奪うと、3人の青年が失神する空間をあとにし、どこかへ消えた。


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第56話 腹責めバトルロワイアル 11 友情

 【06//2013】

人気のない廃病院の地下ブロックを歩く二人の青年、金子醍五(かねこだいご)と土田真(つちだまこと)二人とも原背女大学の同級生で友人同士。二人ともここで偶然出会った。


二人ともジーンズにTシャツ一枚の恰好をしている。


醍五 「三斗士も、一矢も、四竜も、恭二もどこにもいないな」


真 「もうみんなやられてどこかで眠ってるんじゃ…オレ…もう腹は殴られたくない…」


真は前日グラサンの男に執拗に腹を責められ拉致されたことで弱音を吐く。


醍五 「心配すんなオレがついてる、オレは一応空手で鍛えてるし、一矢たちと合流して協力して業腹を倒すんだ!その前にここから脱出できれば一番いいが…」


ピンポンパンポーン~


突然地下ブロック全体に場違いなアナウンス効果音が鳴り響く。


業腹 「どうも業腹でっす!皆さん腹責めは楽しんでますか?現在8名の選手がダウンしてます!しかしなかなか展開がぐうたらなので、隠密衆を解放いたします。諸君これからも頑張ってくれたまえ!検討を祈る!」


ポンパンポンピーン~


業腹 「あ!言い忘れたけど隠密・忍者衆は東(あずま)、佐佑(さすけ)、無名(むみょう)の三名、いずれも業腹総合病院の極秘研究の賜物(たまもの)!腹責めマシーンとして鍛え上げられた兵(つわもの)でございます!」ブツっ


真 「な…なんだ、今の放送は…?隠密?忍者?腹責めマシーン?解放?…なんかやばいことなんじゃ…」


醍五 「業腹総合病院…確かここはそんな名前だった…業腹…」






ビーーーーーーーーーー

ガラガラガラガラガラガラ



今まで閉じられていた3っつのシャッターが各所で一斉に解放された。


一つはイッキ、タイシがやられたアサシン・ルームのシャッター、そこから登場したのは黒い忍者装束に身を包んだ東という忍者。


そして別のブロックで佐佑(さすけ)と無名(むみょう)という青年忍者が解放された。






醍五 「真、急ぐぞ」




「醍五!」




そこで醍五に聞きなれた声が聞こえる。



醍五 「一矢!…それに四竜! 無事か!8名ダウンって言ってたから心配したぞ!」


一矢 「ほう、そうか…」


醍五 「ど、どうした?これでオレたちは4人集まった、あとの二人も探して全員でここを出るぞ!な!協力するだろ?一矢?四竜?」


一矢 「きょうりょく…ねえ」


醍五 「な…なんだ?」


一矢 「お前…オレの腹殴ったよな?オレ根に持つんだよね、そーゆーの、それにお前がリーダー振るのも気に食わねえなあ」


醍五 「わ…さっきは悪かった…許してくれ…」


一矢 「許してやっても良いが、一発は一発だ、お前の腹、殴らせろ、この鬼の金棒で。そしたら俺らの仲間に入れてやってもいいぞ。」


一矢の手にはどこかで見つけたと思われる、まるで鬼が本当に持っていそうなイメージ通りのゴツゴツとした金棒があった。


醍五 「わ………わかった……一発は一発だ、それで許してくれるなら…」


そう言うと醍五は一矢の前に己の空手で鍛え上げた腹を差し出した。


一矢 「シャツめくれよ」


醍五は言われた通りTシャツをめくりあげる。そこにスポーツで自然に良い色になった六つに割れた腹筋が現れる。


一矢 「俺なあ、前からお前の腹筋潰してみたかったんだよ、変な意味じゃなく、ただ鍛えた腹筋って潰したらどーなんのかなって」


醍五は一矢が話しているそばから腹筋に力を入れた。醍五の割れた腹筋はガチガチに堅くなり、溝の深みを増した。


一矢 「力入れんな」


醍五 「そ、それは…」


暫くの沈黙。そして醍五はやむなく腹から力を抜いた。


ニヤリ、一矢は醍五に歯を見せると、金棒を渾身の力で醍五の鳩尾筋に突き刺した。



ドッヴォヴォメリ!!!



醍五 「うっぷううううううぅぅっぅ   はあ はあ げほっ」



力の緩んだ醍五の腹筋に金棒の冷たく堅い先端がめり込んだ。


醍五は金棒に抱き着くように体を折り曲げる。



一矢 「ハハッ すんげー。腹が潰れてめり込んだ!」


醍五 「うふ…はあ…はあ…一矢…これで相子だ…だ…だから…」


涎を垂らし、体を曲げた姿勢で醍五は一矢の顔を見上げる。


一矢 「嘘だ。お前は仲間には入れない。最近のお前の態度は好かんくてな。優等生振りやがって。お前はここでリタイアしてくれ。」


醍五 「はあ…はあ…バカな…こんな…ゲーム…一矢!四竜!」


一矢 「実はこの1時間、俺と四竜はゲームに有効な武器を探し回ってたんだ、見ろよ、この量。金棒に、鉄パイプ、金属バット、メリケンサック、鉄球棒、なんでもあるぜ、これだけありゃ敵なしだ。ナイフとか刃物の類は探し回ったけど全くなかったけどな」


醍五 「………」


一矢 「お前のブレスレット頂くぜ」


そう言うと一矢は醍五のブレスレットをスルっと抜き取った。


一矢 「真!お前は俺らと一緒にくるよな?」


真 「………」


一矢は真の目前で先ほど醍五に見舞った金棒を手でパシパシと叩きながら、問う。


暫くの沈黙があり、真の足は一矢たちのほうへ向かった。


醍五 「ま…まこ…と…?」


真 「ゴメン…醍五…」


四竜は今までの一部始終を一矢の背後でメガネを掛けた冷静な表情で黙って見ている。


一矢 「真ちゃん、最初の指令だ。醍五を羽交い絞めにしろ。言っとくが命令は絶対だ。もし刃向えば…」


一矢は真の顔を見ながら最後の言葉を濁すと、真は黙って醍五の背に回り、醍五を羽交い絞めにした。


醍五 「ま…真…やめろ…友達だろ?…ぐふ」


真 「………」


真もはもう言葉を発せず、ただ力強く醍五の両腕に手を回した。


一矢 「よし。じゃあ今度は生でお前の腹を潰したい。」


そう言って一矢は醍五のシャツの首元を掴むとビリビリ破き、醍五の腹を露出させ、メリケンサックを拳に装着すると、逆の手で醍五の顎を持ち上げた。


そして醍五のがら空きの腹筋にボディーブローを叩き込む。




ドッズゥム!! ドッヴぅぅ!! 

     ずむぅぅ!!

ドゥムッ!!  どっすぅぅ!!  

   ズッボ!!

ドゥヴぅ!!  どヴぉ!

      ずヴぅぅぅム!!




醍五 「ぐっぶっ∴・∵・ おぼぉっぉ∵・・

     げぼ∴∵・ ごっぼ・∵・ うッ∴ 

 うっぷっ∵・・∴・・げっほぉっぉ∴

       かっほ・∵∴ こぷぅ・・・」




一矢のすべての拳が醍五の割れた腹を歪ませ、潰し、凹ませる。口からは絶えず唾液がほとばしる。


醍五 「うぷ…」 (も…う…耐え…れねえ…)


空手の腹打ちで受け身には慣れている醍五もメリケンサックの威力のました素人の滅茶苦茶な腹責めには対応しきれず、腹の力は抜け、容易に拳を腹にめり込まさせる。


四竜 「一矢、もういいだろう」


一矢 「はあ…はあ…そうだな、最高だった」


そして一矢は真に通路の壁に装着されている金属の手かせを醍五にはめるよう指示を出すと、3人は醍五のその場に残し、立ち去っていった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




Tシャツを首元からビリビリに裂かれ腹を露出しながら壁に背を付け、鉄の手かせをはめられているボロボロの青年・金子醍五。


醍五 「くふぅ…はあ…はあ」


口元には唾液の伝ったあとが生々しく残る。


その痛々しい醍五のもとへ一人の男が近づく。


グラサンを掛けた筋肉質の若い男。


グラサンの男 「おい!おい!」


醍五 「ぅぅ…!? お…お前は…業腹の…側近野郎…」


グラサンの男は黙って、痣の残る醍五の腹筋に手を伸ばし、擦る。


醍五 「げほっ」 (ち…ちくしょう…こんなときに…ツイテネエ…)


グラサンの男 「しっ! オレは…敵じゃない! 助けに来た!」


醍五 「な!?」


グラサンの男 「業腹拳…オレが追ってた男だ、潜入したはいいが、グラサン男に変装してずっと業腹が隙を見せるチャンスを待っていたが、こんな訳の分からないゲームが始まってな…オレも閉じ込められたわけだ」


そう言ってグラサンの男は醍五の手かせを解いた。


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第55話 腹責めバトルロワイアル 10 忍務完了

 【06//2013】

イッキを羽交い絞めしている葵にイッキの全身の筋肉から力が抜けたことが伝わった。


葵がイッキの羽交い絞めを解くと、イッキは腕をダランと下げ、葵の胸にもたれた。


葵 「忍務 完了」


ドヴォオ!!


イッキ 「お…ぼ…かはっ」


棗が無抵抗ながら空き腹筋を晒しているイッキにダメ出しの一撃ボディを入れた。


棗 「だな」


すでに忍務を遂行している東はその光景を黙って見ている。


そのとき、弱り切っていたと思われたイッキの体が動いた。イッキは小さな緑色の頭巾を背後の葵の顔目掛け投げつけた。


葵 「ぐわああああ 目がああ!」


イッキが投げたのは競パンに隠し持っていた木箱に入っていた巾着袋、その中身は煎じた唐辛子と灰を混ぜて作った目潰し粉だった。


さらにイッキは木箱の中から煙玉を素早く取り出すと、それを地面に叩きつけた。一瞬で狭い空間はもくもくと煙に包まれ視界が無くなる。


イッキは記憶していた棗の居所に素早く移動すると棗の背に装着されていた金属バットを奪った。そこで今度は葵のところへ忍びより、無作為にバットを振るった。


ガキィーーーーン!!!!


「ぐわああああああ」


呻き声と、人一人が倒れる音。


次第に視界が明瞭になる。


部屋の中には、倒れているタイシと、もう一人床に伏せている葵、そして動揺している棗と、澄ました顔のサラサラの髪の東がいる。


棗 「お…おまぇ」


イッキ 「勝負だ」


対峙する二人。その光景を東は黙って見ている。


興奮したイッキは金属バットを振り上げ、棗の脳天目掛け振りかぶる。



ドゥブ! ドゥブ!



イッキ 「うぶっ!」 「うぼっ!」



棗は素早い身のこなしで、腰に忍ばせてあった暗器とも言えるヌンチャクの2つの棒をイッキの油断したがら空きの腹筋にぶち込んだ。


イッキ 「うぷっ   うえっ」


2つの棒がイッキの腹筋に食い込む。


イッキは唾液を口の両端に溢れさせ歯を食いしばりダメージを無理無理耐え、威力は半減したがバットを棗に振り下ろした。


棗 「がは」


バットは棗の脳天は外れたものの、肩に打撃を与え、そのダメージで棗は片膝をついた。イッキは片手で腹を抱える。


イッキは気を持ち直し、棗のもう片方の肩へも打撃を加える。


棗 「があ」


両膝をつく棗。イッキは怒りに身を任せ、棗の胸倉を掴み起き上がらせる。そしてそのまま部屋の角へ棗を連れて行き、叩きつけた。


壁のコーナーにもたれる棗。イッキは棗に近寄り、忍者服の肌蹴た胸元を掴むと、豪快にめくり、棗の腹筋が目に見えるように、大きく肌蹴させた。


日本人の白い肌に八つにボコボコに割れたスイマーのようなくびれた肉体があらわになる。


棗が壁に両手を付け、もたれた状態から立ち上がろうとする。それを許すまじと、イッキは棗の腹筋に狙いを定め、金属バットのヘッドを突き刺した。



ドヴォ!!メリメリメリィ



棗 「ぐっぼっ!」



バットのヘッドを10cmほど腹筋に埋め込まれ、目を開き、口を尖らせ、唾液を垂らし、呻く棗。その腹筋は壁とバットに挟まれ、再び棗は力なく壁の角にもたれる。



棗 「うぶ…うぼ…ぉぉ」



ドヴォ!




ドゥゴ!!




ドモ!!




ドズ!!



イッキは何度も棗の腹にバットをめり込ます。


棗 「かはっ けふっ うふっ ぐぼっ」



ドヴォヴォヴォヴォオオオオオ!!



トドメに今まで以上に力を込めめり込んだ一発。下から上へぶっ刺されたバットのヘッドは棗の鳩尾筋に深々とめり込んだ。



棗 「うぐっげヴぉお・・・・・・」




      「がはっ∴・∵:・:・」



しかしイッキはバットは抜かず、そのまま容赦なく腹に埋め込まれたままのバットを上へ突き刺しつつ持ち上げる。


棗の足が宙に浮いたところで、イッキは腕に力を込め、突き刺さったままのバットをさらにグングンと壁に押し当てめり込ませる。


ずぶっ どぅぶっ ずぶっ どぅぶっゝ・・・・・・・・・・・



棗 「こっぷ  こっぽ  うっぐ げっぼ」



イッキがバットを押し込むたびに棗の両手足はビクんビクんと振動する。


涎を滴らせていた棗の頭がガクンと下がったのを見届けると、イッキは冷静さを取り戻し、棗の腹からバットを引っこ抜いた。


床に足が付いた棗の体はそのまま壁に背を付けながらずるずると倒れ、足を床に投げ出すまでに下がった。その体には意識はなく、かすかに腹が呼吸しているのが確認できた。


イッキ 「か…勝った」


イッキは気絶した棗に近寄ると、好奇心から頭巾を剥いだ。


夏目ソースケ。そこにはイッキのよく知る親友とも言える青年の顔があった。口元は唾液にまみれている。ソースケも業腹に前日拉致され、この廃病院に連れてこられていたのだ。そして何らかの催眠術を施され、イッキたちに敵意を振るっていた。


イッキ 「そ、ソースケ…な…なんで……スマン…じゃ…じゃあもう一人の忍者はユキヲ…」




東 「もういいか?」


イッキ 「な…」


東は長い鎖の先に鉄球のついた古風な武器を持っていた。それをぐるんぐるんと振り回し遠心力を蓄えると、唖然と立ち尽くすイッキに放った。



どぶっ!



イッキ 「 !? 」  「   げぶっ   」



重い鉄球がイッキの腹にめり込み。イッキは気を失った。



東 「忍務完了…」


ビーーーーーーー!




ガラガラガラガラガラガラ


そこでシャッターが開け放たれた。


忍者・東は颯爽とその場を後にした。


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